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天然の樹脂塗料として、古くから暮らしを支えてきた漆。
その漆を用いて、割れたり、欠けてしまった器を継ぎ、
金や銀でお化粧して繕う技術を通称として「金継ぎ」と呼びます。
茶の湯の文化から生まれた金継ぎは、器を修復するだけに留まらず、
破損を繕った跡を「景色」と見立て愛でてきました。
生まれた時代や場所、傷跡もひとつひとつ違う器に寄り添って、
その物がもつ魅力を大切に、器を蘇らせたらと思います。
金継ぎを通して、ものを大切にする豊かさ、
暮らしの中で器を育む日々を楽しんでいただけますように。
山下 裕子 yamashita yuko
1975年、島根県生まれ。東京都在住。
ファッションブランドのプレスとして勤める傍ら、大切な器が割れたのをきっかけに金継ぎを学び始め、
漆という素材そのものに興味が深まる。退職後、2015年より本格的に本漆での陶磁器のお直しを請け負っている。
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